相続手続き事例集

【事例14】相続人が10歳だった場合の取り分

自営業者だったAさんが急にお亡くなりになり、相続人は配偶者と未成年者2名(小学生と幼児)の計3名でした。

 

相続人に未成年者がいる場合、親権者でもありかつ相続人である、母(Aさんの配偶者)との間に、利益相反が生じるため、未成年者には特別代理人を選任する必要があります、

この特別代理人の選任手続きは、家庭裁判所に対して遺産分割協議書案を提出する必要があります。

 

このような場合、未成年者には法定相続分を確保する必要がありましたが、今回は、大部分が事業用資産であって法定相続分で分割するのが難しい状況でした。

そこで、資産管理の面も考慮して、「全財産を配偶者が相続する」という形で裁判所に提出しましたが、「未成年者の相続分がない!」という旨で受理されませんでした。

 

そのため、ひと工夫をし、全財産から事業用財産を控除し、残額を法定相続分で分割した案で金額を算定し提出したところ受理され、無事に手続きすることができました。

未成年者や認知症の相続人(成年被後見人)がいる場合には、法定相続分の確保のため、特別代理人や後見人などとの調整が必要になるため注意が必要です。

 

税金対策のためとか、二次相続のためとか、今後の相続のときに揉めないようにする為とか、そんなことは関係ないようです。

家庭裁判所での、特別代理人の存在意義としては、未成年の子供の権利をきちんと確保することが、最優先であるからです。

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