相続手続き事例集

【事例24】勘当された次男を訪ねて

お父様が亡くなり、相談人は配偶者、長男、次男の3人。一見問題なさそうな相続手続ですが、長男さんが言われるには、実は、弟は35年前に家を出て以来、音信不通ということでした。

 

弟さんの住所を調べて訪問し、お父様がお亡くなりになった事実、長男さんが連絡を取りたいと言っていたことを伝えました。

弟さんとお父様との確執は、お父様が亡くなった事実によっても、簡単に消えることはありませんでした。弟さんは、頑なにお父様の手続を拒んだため、相続手続の協力を得られるまで半年以上かかってしまいました。

 

何十年も連絡を取っていない方が相続人になる場合、まず、連絡を取ることが大変です。もし、連絡が取れたとしても、その後、相続手続に協力をしてくれるのかどうかはわかりません。

相続手続はお金が絡む話になりますので、難航することが多々あります。今回のように、連絡が取れなくなった理由が喧嘩、勘当などの場合は、兄弟・親子の確執が手続を難しくすることもあります。

 

このような相続人がいる場合は、「遺言」、特に「公正証書遺言」によって、相続財産を誰に相続させるのかを予め指定しておくことが有効です。公正証書遺言があれば、相続人全員で話し合いをする必要や、相続人全員の署名押印をそろえる必要がなくなるからです。

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