B被相続人は配偶者、子がなく、父母、兄弟も他界していて、相続人は甥姪になりました。被相続人は大手の運輸グループに在職中に死亡され、会社の退職金、確定拠出年金があることがわかりました。
退職金については、労働基準法の遺族補償の受給者と同一とされており、甥姪は非該当でした。(該当は配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹まで)
確定拠出年金は、確定拠出年金法によると、死亡一時金を受け取ることができる遺族は、配偶者(内縁含む)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹となるが、死亡一時金を受け取ることができる遺族がいないときは、死亡した者の個人別管理資産額に相当する金銭は、死亡した者の相続財産とみなす。(第41条4項)
死亡一時金を受け取ることができない者によるその権利の裁定が死亡した者の死亡後5年間ないときは、死亡一時金を受け取ることのできる遺族はないものとみなして、前項の規定を適用する。(第41条5項)
と、いうことは、遺族がいなくても相続財産になるが、該当の遺族でない相続人は、受け取りを5年待たなければならないことになります。
このケースでは甥姪は受取を5年待てと確定拠出年金の運営会社ははいってきました。
しかし、相続財産にはあたるので、相続税の申告対象にはなるのです。
納得いかないので、厚生労働省に問い合わせをしてみました。
企業年金国民年金基金課によると、「該当の遺族がいないのならば、4項に該当しますので、5年待つ必要はありません。証明書類は管理会社に確認してください」とのこと。
管理会社の事務方との打合せに時間がかかりましたが、見解は厚生労働省のいっている通りで、無事、5年待たずに受け取りすることができました。
相続人や、相続財産が多岐にわたっている昨今、今後も起こってくるだろう問題かと考えられます。