相続手続き事例集

【事例22】遺言の内容を実現するには

Gさんは夫を亡くし、以後の手続きについて当センターに相談に来られました。まず相続人を確定する必要がありますので相続人を調べ、夫婦に子どもがいない為に相続人は妻と夫の兄弟、甥姪計8人になります。

Gさんの夫は病気で亡くなる3日前にありがたいことに「全財産を妻に相続させる」という自筆証書遺言書を書いて頂いておりましたので家庭裁判所で検認という手続きを行って、その遺言書の内容を実現しようと考えておりました。

 

Gさんの夫の相続財産は、主に銀行預金と自宅不動産であります。銀行預金は都市銀行と地方銀行で6行の金融機関に預けてあり、各銀行から解約・名義変更書類を集めてあります。

銀行預金の手続きを行う場合、たとえ、自筆証書遺言書があっても、相続人全員の署名と実印がないと、手続きができないというのが、ほとんどの銀行のスタンスです。

 

しかし、ここで遺言執行者を家庭裁判所で選任してもらう方法があり、この遺言執行者の選任を受けるとその遺言執行者が遺言内容の実行を行うことができ、金融機関によっては手続きに応じて頂くことが出来るようになることがあります。

 

遺言執行者とは、遺言者が亡くなった後で、遺言の内容を実現する権限を持ち、その事務を行う人のことです。

遺言執行者の主な任務として

①遺言書の検認申し立て(公正証書遺言の場合を除いて)

②財産目録の作成

③財産目録記載の遺産について、管理、処分、その他遺言の執行に必要な一切の行為をする

などがあります。

 

今回のケースでは、遺言書に遺言執行者の指定がなかったので、検認後にGさんが遺言執行者になる旨を、家庭裁判所に申し立てて審判を受け、その後、銀行の手続はGさんひとりの署名、押印で完了し、夫の兄弟に手伝いを頼むことなく、簡単に解約ができました。

遺言書の作成の際には、必ず遺言執行者を決めておきましょう。

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